2017年06月07日

【漫画感想】中間管理録トネガワ5巻(福本伸行・萩原天晴・三好智樹・橋本智広)


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福本先生の出世作カイジの悪魔的スピンオフ『中間管理録トネガワ』の5巻が発売されました。月刊ヤングマガジンに連載されていますが、ヤンマガ本誌やヤンマガサードなどにも頻繁に出張し、12月発売の4巻から半年で刊行です。このマンガがすごい2017にも選ばれており、いまノリに乗っている作品です。

 ◆収録エピソード
 ・黒服の人事異動
 ・利根川と黒崎
 ・女性黒服
 ・利根川にコミットする黒服
 ・太鼓持ち
 ・帝愛ツイッターの中の人
 ・プッチンプリン
 ・トネガワvsハンチョウ

4巻では数話にまたがる中編のエピソードもありましたが、5巻は1話か2話完結のエピソードに戻りました。そしてどれもキレッキレ、珠玉のエピソードばかりです。人事異動や女性社員、上司の太鼓持ちなど会社組織あるあるネタなのですが、福本先生の作り上げたキャラクターやフォーマットに当てはめると、面白くなってしまう。作画やネームの持つ底力を感じます。


体育会系の堂下、太鼓持ちの八乙女、まさかの妹萌えだった左衛門など、いままで区別がつかないとネタにされていた黒服にも豊かな個性が生まれ、キャラ立ちしてきました。区別できないネタで引っ張るのはこれ以上限界だと感じたんでしょうね。新キャラの顔も差別化され、見分けがつきやすいようにデザインされている気がします。この5巻で一気に黒服に愛着わきましたね!今後は黒服の個性をいかした話が多そうで楽しみです。黒服の恋話とか、休日何してるのとか、そういう話が読みたい! 派遣の津久井なんかはまだ数コマしか登場しておらず、これからどういった話に登場するのか楽しみです。

恒例の書き下ろしでは、『1日外出録ハンチョウ』同時刊行を記念したトネガワvsハンチョウを収録。トネガワとハンチョーが出会うとき、どんな反応が起こるのか必見です。





◆余談というか妄想
現在、近代麻雀連載中のアカギで、ワシズ様が一人一人の黒服の名前をしっかり覚えていたという心温まるエピソードがありましたが、トネガワの黒服差別化もこれがオーバーラップしてる気がします。そのうち、黒服だけで4コマ漫画とか黒服スピンオフ作れそうですね。





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2017年06月03日

『ぼくたちは勉強ができない』を読んでほしい3つの理由


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週刊少年ジャンプの好評連載中の『ぼくたちは勉強ができない』の1巻が発売されました。ジャンプ+で『ニセコイ』のスピンオフ作品『マジカルパティシエ小咲ちゃん』を連載していた筒井大志先生が、満を持してジャンプ本誌で連載を開始作品した作品です。1巻には、問1「天才と[x]は表裏一体である」から問7「かくして天才どもは[x]を楽しむ」まで収録されています。

個人的に大好きな作品なんですが、ここ数週、ジャンプ本誌の掲載順が後半に配置されることが多いです。『ゆらぎ荘の幽奈さん』という強力なライバルもいますし、同じく大好きだった『背すじをピン!と 〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』が連載終了してしまうということが最近あり、僕勉の魅力を紹介したいと思います。間口が広く、漫画好きの方に読んでいただければきっと人気あがるはず!というわけで、『ぼくたちは勉強ができない』を読んでほしい3つの理由 です。


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1、ド直球ストレートラブコメ

家庭の事情でエリート特別VIP推薦を狙っている主人公唯我成幸は、推薦の条件として学園の有名人2人の教育係を命じられる。2人は理系と文系のスペシャリストでありながら、逆の大学進学を志望している。不得意分野は全くできない2人との教育係として奔走する日々が始まった!?

あらすじから匂い立つ、紛う方なきラブコメのかおり。ラノベで定番の「勉強ができる主人公」と「落第生ヒロイン」設定を、ラブコメ風にアレンジしたわかりやすい内容。ジャンプラブコメの流れを汲みながらも新しいものを取り入れており、決して古くない。奇を衒った内容ではなく、安心して読めるラブコメの優等生みたいな作風です。ド直球なラブコメは、作者の圧倒的なラブコメ力(ぢから)がないと描けないものです。読者が考えていることを理解し、読者を裏切らない形で、その上を超えていくのは、ラブコメというある程度形が決まったジャンルで表現するのは決して楽なことではありません。しかし筒井先生には『マジカルパティシエ小咲ちゃん』で、培ったラブコメ力があります。ラブコメ好きが読まない道理がない!?






2、ヒロインが超絶かわいい

●緒方理珠 『機械仕掛けの親指姫』
 茶髪ショート、身長143aだが意外と胸がある、クールで口数少ない、アナログゲームが好き、実家うどん屋
 個人的ポイント:だんだん小動物が懐いてくる感じ

●古橋文乃 『文学の森の眠り姫』
 黒髪ロング、スレンダー、天然気味で情緒豊かな毒舌、家族関係が複雑?
 個人的ポイント:口元がゆるい、胸の話題を察する能力

●武本うるか 『白銀の漆黒人魚姫』
 ミディアム、色黒、水泳部で未来のオリンピック候補、元気あふれる妄想癖、中学時代から主人公のことを?
 個人的ポイント:行動も気持ちも先走ってしまう暴走っぷり


属性だけ抜粋した形になりましたが、あとは筒井先生の確かな表現力で描かれた3人を見てください!このブログでは、漫画内の絵を引用しないルールでやってますが、とにかく絵を見ろ!絵を! 絵がかわいいんだよ。筒井先生の作画の前には文章なんか意味を持たないんだよ!



3、各話サブタイトルの謎

問1「天才と[x]は表裏一体である」、問2「天才の憧憬は[x]である」などサブタイトルに毎回[x]が使われています。数学において[x]とはなんであるか求める対象であり、これらのサブタイトルにおいても、この[x]に入るものはなんであるか考えながら読むのも面白いかもしれません。問1.であれば「天才と[馬鹿]は表裏一体である」とかそんな感じに。また、今後この遊びがどのように使われるかを考えるとワクワクしてきます。

ラブコメにおける一番の難問は「最後に選ばれるヒロインは?」です。様々な途中式、解答法がありますが、最後の答え「どちらのヒロインが選ばれるのか」これでラブコメの点数が決まるといっても過言ではありません。この答えが提示される、物語が佳境に迫ったとき、このサブタイトル[x]を使って、この問題が出されたら、、、という妄想を肴に良い酒が飲めそうです。まだ全然予想するには材料が足りませんが、いま現在から後半に使われそうなサブタイ予想するのも楽しいです。想像は自由!!




ニセコイというジャンプ史上最長のラブコメが終わったあとに、そのスピンオフを描かれていた筒井先生が送る新しいラブコメ。2巻以降収録予定分では、すでに新しいヒロイン?も登場し、唯我の周りますます大変なことに! 早くも8月に2巻が発売されます。漫画好きなら、ラブコメ好きなら僕勉を読まないのはもったいない!まだ間に合います。是非1巻を手に取って、ジャンプ本誌でも追いかけてみてください。








posted by 棚傘(たなかさ)都市(とし) at 02:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月26日

【漫画感想】高機動無職ニーテンベルグ 5巻(青木ハヤト)


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駆けよ無職!無職と社畜の戦いを描く超異色SFバトル『高機動無職ニーテンベルグ』の最終5巻が発売されました。

かっこいいメカやしっかりしたSF世界観と、ラフな作画のキャラやギャグっぽいネーミングが変な味わいを生み出している本作。無職の自由と社畜の矜持を賭けた戦いもついに佳境です。どこか見たことのあるようなイノベーション大好きおじさんや、どんどん出てくる新しいメカなど見どころ満載です。ただ、ラストにむけてストーリーを進めるのに忙しいのか、富野台詞パロやワーカホリック・クーリアの活躍が少なかったのが残念ですね。作者の青木先生がガンダム好きなのが伝わってくる作品で、もう終わってしまうのが惜しいです。もっと続いたら、あの展開くるかな、あの台詞あるかなとか想像するとまだまだ楽しめます。カバー裏にもしっかりネタが仕込まれているので、是非見てください。

ニート・無職ネタはありふれたものになってしまいましたが、SFと組み合わせるとこんなにおもしろくなるんだと発見させてくれた作品です。設定の組み合わせ、まだまだ漫画の可能性を感じる一冊でした。






posted by 棚傘(たなかさ)都市(とし) at 20:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

格闘ゲームは競技か興行か、はたまた道か


『喰いしん坊』という漫画があります。ただの美味いもの好きだったサラリーマン大原満太郎が、プロのフードファイターハンター錠二の大食いを見て感銘を受け、会社を辞め大食いの大会に出場するようになっていく、という漫画です。


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作中では大食いのプロが存在します。大食いチャレンジ(かつ丼10杯を30分で食べたら1万円贈呈、みたいなもの)や、お店が宣伝にために行う大食いイベントの出演料で生計を立てています。しかし、それはごく一部でほとんどのプロが別に仕事を持っています。本職もしつつ、目標の大食いチャレンジや大会に向けて、大食いの練習や調整をして鍛錬に勤しむ日々。そしてそんな中、「大食いのスポーツ化」を理念に活動している団体と「大食いの興業化・商業化」を目指す団体で対立が生まれます。

これって格闘ゲームをとりまく現状にちょっと似てませんか?大食いチャレンジではなく格闘ゲーム大会、大食いイベント出演はそのまま格ゲーイベントだったりニコ生、など動画配信の出演に置き換えられます。毎日ゲームの練習をしますが、直接ゲームをするだけではなく、自分で攻略法を編み出したり、精神的な鍛練を行ったりすることも似ています。

格ゲーのe-sports化の話題を耳にすると、いつもこの『喰いしん坊』を思い出します。『喰いしん坊』では、興業派の団体が負けてしまいますが、邪道喰いという見た目の派手さを重視する余りマナーが悪い食べ方を多用したり、そもそも悪役ポジションだったりするわけで、商業的に努力することが悪し様に否定されたわけではない気がします。そもそも、スポーツ派の団体はトップが元産業連合会長でお金に困らず、選手をトレーニングする資金が溢れているわけですが、もしそうでなかったら所属選手を養うお金をどうしているのでしょうか。それを大会収入や広告料みたいなもの、つまり興業化しないで済んでるのは、今お金を持ってるだけであって、将来的な継続性を考えたらある程度のマネタイズは必要なのではないでしょうか。

格闘ゲームは、ゲーセンが潤っていた時代はゲーセンやその関係者主催の大会イベントが多くありました。イベント中は筐体に100円が入らないのですが、その前後にプレイしてもらうための宣伝としてゲーセン主催の大会がありました。またはプレイヤーが筐体を貸し切る形で大会を主催していました。そういう大らかな時代もありましたが、いまは変わりました。そもそもアーケード版がなくゲーセンにない格闘ゲームがあります。ゲーセンで大会をやる場合、場所と筐体がそろっていました。ゲーセン以外で大会をやる場合、場所代もゲーム機本体、ソフト、コントローラーも準備せねばならず、その運搬も大変です。大会を継続して開催してほしいなら一部の人の手弁当で続けるんじゃなくて、そこの資金調達をどうにかするべきなのかなぁって。

個人的な見解としては、スポーツ化も大事だし興業的なものも大事なので、10:0で考えるべきじゃなくてバランスとろうという、身もふたもないつまんない大人の意見しかでてこないんですが。武井荘さんもスポーツ選手のマネタイズについてツイッターで熱く語っていらっしゃた記憶があります。何事も続けるにはお金必要だし、なんだったら格ゲーでスゴいプレイできる人がスゴいお金手に入れて何が悪いんだ!くらいの感じだったんですね。


と思ってたら、こんな記事を見つけました。


■日経BizGate : 強さとは信頼、「ゲーム道」究める
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/134241319.html

東大卒プロゲーマーで有名なときど氏(格ゲープレイヤーwiki)が予防医学者の石川善樹氏と対談する企画です。空手を始めたときどさんがその精神をゲームプレイに取り入れている話です。詳しくは記事を読んでいただきたい。

これ読んで、また格ゲーに関する新しい考え方が出てきたなぁ、と感心しました。そもそもスポーツと商業性というのは対立軸にあるものではないはずなんですが、こういう第3軸が出てくることで、それにやっと気づかされたというか。最近e-sportsという言葉がやや先行して対戦ゲームについてまわっているので、スポーツか否か!みたいな二元論から脱出できてなかったような。日本特有(かどうか厳密には知りませんが)の競技と精神論を合わせたような考え方、道、これいいなぁ。もしいいすぽ!とかTVにときどさん出ることがあれば、東大卒プロゲーマー より ゲーム道の提唱者 の方がかっこよくありません?ときど道場作りましょう!道場経営すればマネタイズもできますし!そもそもトレモのコンボ練習 とか 空手の型 と同じじゃないですか!?


と、妄想はさておき、いろんな考え方がいろんな方面から出るのは望ましいのかな、と。格ゲーを取りまく環境はいろいろ変わってきています。最新作がゲーセンに無かったり、逆に家庭用で出てからアーケードに移植される予定になったり、プロゲーミングチームができてこれだけ多くの人間がプロとして世界を飛びまわって大会に出場しています。数年前にこの現状を予測できなかったように、今から数年後のことは誰にも予測できないでしょう。願わくば、格闘ゲーマーたちの熱がこもった素晴らしい試合を見れる環境が続きますように。








余談ですが、『咲』で、麻雀のプロがどんな状況なのかすごい気になります。現実より麻雀が流行ってる世界線での出来事なので、格ゲーが今後流行ったとしたら、どうなるかみたいな補助線にならないかなぁと。『喰いしん坊』も、大食いが流行ってる世界線なのですが、そういう設定は練り込まれていない気がします。小林立先生のことだから、そこらへんは異様に細かく考えてそう。咲プロ編も楽しみにしてます。あと格ゲーのグラゼニ。
posted by 棚傘(たなかさ)都市(とし) at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 格ゲー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月20日

【漫画感想】明日葉さんちのムコ暮らし 5巻(大井昌和)


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『おくさん』などむっちり巨乳描写に定評の大井先生の最新刊が発売されました。
5巻の見どころは何と言っても 結婚式 です! やっぱり結婚式は感動しますね。これだけエロたっぷりのコメディでも、泣かせてくるところはきっちり泣かせてくるのうまいなぁ。

個人的に好きなエピソードは、明日菜が剣道部員から取り上げたエロDVDが明日葉家の面々に見つかって、、の話です。DVDの内容によって生まれる誤解、助けようとする六実は、、。誤解系ではよくある話ですが、明日葉家のキャラがうまくたってて、誤解の方向も和やかだったりするのがとてもよくて。

ラストで「おめでた」い話もあり、6巻からも楽しみです。


















posted by 棚傘(たなかさ)都市(とし) at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする